カタツムリとナメクジの大きな違いは貝殻であるのはご存知だと思います。
ナメクジが貝殻を持つように進化してカタツムリになったと考えている方が大多数ではないでしょうか?
実はそうではなかったのです。
進化の過程
貝殻を持つのがカタツムリ、持たないのがナメクジという見た目の違いはありますが、それだけであとは陸生の貝類という、ほぼ同じ分類に属しています。
祖先の軟体動物からいくつも枝分かれした先の一つ、貝類から更に枝分かれして現在の位置になりました。
ナメクジはそこから更に進化したものと言っても過言ではありません。
どういうことかと言うと、カタツムリの貝殻は目的の一つとしては乾燥から身を守るためにあります。
ですが、作るには多くのカルシウムを必要とするため、カルシウム分が乏しい地域に分布するカタツムリは貝殻を作ることを放棄し、代わりに分泌量を多くした粘液で身を包み、乾燥を防ぐ方法を選びました。
つまり、貝殻を退化させる進化をしたのがナメクジなのです。
これによってカルシウム分が足りない所でも乾燥せずに生きていくことができ、貝殻を背負っていた時より狭い所に入ることも可能になって身を守る術も変えて数を増やしてきました。
ナメクジの種類によっては貝殻の名残を持つものもいます。
体内に埋没していて一見するとわかりませんが、イカの甲羅のようにカルシウム質の甲羅を持っているのです。
ちなみにイカも同類から進化してきたので、似たような構造があってもおかしくありません。
カタツムリの貝殻
カタツムリの貝殻はただの殻ではなく、中には内臓、神経や体液を通す器官が詰まっています。
このように大切なものが入っていますが、その強度は脆く、力を込めれば簡単に壊れてしまいます。
やはり外敵から身を守るというよりも、乾燥を防ぐ方を重要視していると見るのが適切だと言えます。
元々は海や川などの水中で生きてきたものが陸上でも生きられるように進化してきたのが今の形なのでしょう。
いいえ、今でも進化の途中で、未来にはもっと陸上に適した姿になっているはずです。
まとめ
カタツムリの方は童謡や和歌にも使われていていくらか親しまれていますが、ナメクジはあまり好まれていません。
生活も習性も食性もよく似ているのにここまで好き嫌いが分かれるのは、我々人間が進化していく間で口に入れた時の印象が残っているのかもしれませんが、やはり見た目による影響がかなりあると思われます。
方や丸みを帯びた可愛らしい印象、方やのっぺりとして不気味な印象、ここで賛否が分かれているのではないでしょうか。